看護師として働いていれば、転職をしたことがある人は全体の7割にものぼると言われています。また、年齢が上がるほど転職率が低くなる傾向にあるようです。看護師は、医療現場での仕事が多く、体力も当然必要となるため、このようなことが起きてしまうのでしょう。でも理由はそれだけでしょうか?ここでは、年齢を重ねてから転職をして困ることについて、例をあげて解説していきましょう。
看護師の仕事は日誌や患者の看護記録をつけるなどデスクワークだけではありません。医師がスムーズに治療に専念できるよう、医師の補助的な仕事や、緊急時には手術の補助、また患者の世話、なども含まれています。よくテレビドラマの手術のシーンなどで見かける手術オペの器具の差し出しなども看護師の仕事の一部なのです。また、病院の中でも患者やその家族などと最も接点がある立場ともいえるでしょう。客あしらいというと語弊がありますが、それなりのスマートな対人関係も望まれるところです。その他にも、緊急時の手術などにはサービス残業に駆り出されるのもよくあること。そのため、プライベートな時間が限りなく少なくなることや、仕事量に対して報酬が見合わないなどを理由に転職を考える看護師が、多いようです。
今はあまり耳にすることはなくなってきましたが、定年まで雇う「終身雇用」というシステムが日本にはありました。以前に比べ、少し状況が変わってきているものの、日本は海外に比べて転職をポジティブに受け止めていません。転職を繰り返すことによって、集中力が足りないとか、責任感がないというように見られてしまうのでしょう。しかし、看護師の場合は違います。転職サイトを利用すれば、年収UPやキャリアアップも難しくないのです。そのため、看護師の転職率はほかの業種に比べて高い傾向にあります。しかし、年齢を重ねてからの転職には注意が必要です。例えば、転職したら自分よりも年下の人が、職場の先輩として指導にあたるということもよくある話。プライドが邪魔をして、素直に聞けなくなってくることがあるものです。また、看護師は女性が多いので、複数人でチーム行動していることが多く、なかなか職場に溶け込んでいけないというような人間関係で悩むこともあるでしょう。長年勤めた医療現場であれば、目をつむってもどこに何があるかわかるほど機材の場所を把握していても、新しい職場では、なかなか覚えきれずに、困ってしまうこともあるはずです。
看護師は人の命を預かる重要な立場であり、時には、時間外の勤務など重労働が強いられることもあるでしょう。そのため、不満も募り、キャリアアップも図れる転職を大事なステップと考えている人が多いようです。しかし、人の命を扱う医療現場では、転職をきっかけにミスが増え、覚えが悪いとなれば、戦力外としてみなされてしまうこともあります。キャリアアップを目標に転職したのに、これでは本末転倒ですよね。そこで、覚えておきたいのが、転職だけがキャリアアップの道ではないということ。長年勤務してきた病院に、多少の不満があったとしても、忍耐強く続けることで信頼というキャリアを積み上げることができます。また長く勤めればそれだけ、経験値をあげることもできるでしょう。経験は看護師として患者さんの状況を見たときの、咄嗟の判断能力を養ってくれます。今までの信頼関係やキャリアを棒に振って、目先の年収だけで転職を考えるのは、後ほど困ってしまうこともあるでしょう。
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