高齢化社会の現代では、看護師の転職口はたくさんあると思われがちです。しかし、実際には満足のいく転職をするのは大変難しく、前職を辞めなければよかったと後悔するケースも少なくありません。例えば、個人経営の病院ですべてを任され仕事に手応えを感じ、さらなるチャレンジとして大規模な病院への転職をしても、それはうまくスキルアップにつなげていけるのでしょうか?ここでは、規模が違う大病院への転職の不安材料や、メリット・デメリットについて解説しましょう。
看護師は女性が多い職場です。そのため、職場での人間関係に悩むことが多いもの。本来であれば、大切な命を扱うという緊張した現場の中、患者さんにきちんと対応するために連係プレーが必要です。しかし、実際は周りの女性の看護師から疎外感を感じたり、必要以上に気を使ったりするため、仕事に集中できず、精神的に疲れ切ってしまうこともあるでしょう。また、一般企業では当然の権利として与えられている有給休暇も、新しい転職先では取りにくくなる傾向があります。過酷な勤務状態のなか、新しい職場で我先にと休暇をとることが拒まれ、有給を言い出せずにそのまま、その年の有給を消化してしまうパターンです。2015年では有給の平均取得日数およそ8日が取れたのは、看護師全体の約5割にも満たず、全く有給が取れなかったという人も全体の3%以上います。
大規模な病院は、一般企業で例えれば規模が大きな大企業といった位置づけです。以前は、病院のベッドを100床以上保有しており、外科・内科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科の5つの診療科目を所有しているのが大規模な病院として規定されていましたが、現在は平成8年の医療法の改正とともに明確な定義はありません。しかし、それでも街のクリニックや診療所など個人経営の病院に比べれば患者さんの収容人数も多く、施設の充実度も高いと言えるでしょう。大規模な病院で働くメリットは、規模が大きい分、色々な症例が学べることです。看護師に対する教育体制も確立されており、実際の現場はもちろん、繁栄に開かれる研修会や勉強会で多くの知識をとりいれ常に新しいことを学ぶ場が揃っています。また、大規模な病院だけに福利厚生の内容が充実しているのもメリットと言えるでしょう。深夜勤務に対するタクシー補助金に始まり、結婚して子供ができたことを想定した託児施設利用の補助金支給といったものまで揃っているところもあります。こういった福利厚生の内容であれば、実質的な給与と見なされるような手当てなので働いている立場からすれば嬉しいメリットですね。
デメリットは個人的な捉え方によっても、全く変わってくるので一概にコレ!と決めつけにくいもの。しかし、一般的に大規模な病院への転職によるデメリットな要素として、よく言われているものは病院内の異動です。大規模な病院は先に述べたように外科や内科以外にも5個以上の診療科目を備えているのが一般的です。そのため同じ病院内で他の科に移動することがあります。様々な診療科で働き、看護師として視野を広めることができメリットとも捉えられますが、実際の現場ではそれぞれの科でまた一から覚えなくてはならないことがたくさんあり、労力や時間がついていけず看護師としての自信を無くしてしまうケースがデメリットとしてあげられるようです。
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