今、日本では高齢出産の増加に伴い、不妊治療クリニックが首都圏を中心に年々増え続け、東京都内だけでも、その総数は60を超えます(2016年8月17日時点)。
今回、このコラムでは、助産師さんが不妊治療クリニックで働く際に求められる役割、不妊治療クリニックで働くメリット・デメリット、助産師求人の探し方などについてご紹介します。
助産師が不妊治療クリニックで求められる役割は、不妊に悩む患者さんの心に寄り添い、妊娠できるまでサポートすることです。妊娠の妨げになっているものを調べる超音波検査やホルモン検査など不妊の検査や、不妊の検査の結果に応じて行われる子宮鏡検査や抗精子抗体検査、治療プランの為の卵巣年齢を調べる検査などについて、患者さんに理解できるよう説明したり、人工授精の処置することなど実務的な役割と不妊と向き合っている患者さんの心のケアが求められます。
不妊治療クリニックで働くことの大きなメリットは、夜勤が無いということです。出産はいつ来るかわからないので、長時間待機しなくてはならず夜勤人数が少ないと、帰宅時間になっても帰れないこともありますが、不妊治療クリニックの場合、基本的に夜勤はありませんし、患者さんは予約した時間に来院されるので、よっぽどのことがなければ残業もありません。その為、規則的な生活が送れるというメリットがあります。また助産師さん自身が不妊治療を受けたいと思っている場合には、働きながら不妊治療の知識が得られ、自身の不妊治療にも役立てることができるというメリットもあります。ただし、不妊治療クリニックで働くデメリットとして、助産師として分娩の実績を得ることはできません。不妊治療クリニックで数年働いた後、分娩施設のある病院やクリニックに戻りたいと思った時には、分娩の経験が少ないことが職探しのマイナス面になってしまう恐れもあります。
不妊治療には人工授精、体外受精などたくさんの治療法がありますが、クリニックによって取り入れる治療法が違います。また、クリニックの方針によって、検査や治療よりも心のケアや生活指導からの不妊治療に力を入れているところもあります。不妊治療はデリケートな問題を多く抱える治療なので、助産師と患者さんとのコミュニケーションは非常に重要ですので、クリニックの方針を理解し、賛同していないと助産師としての仕事をスムーズにこなすことができません。どのような方針で不妊治療に取り組んでいるのか、どのような治療法を取り入れているのかを事前にしっかりと調べることが重要です。
【東京都で有名な不妊治療クリニック】
◎医療法人社団 愛慈会 松本レディースクリニック(東京都豊島区)
⇒師長をはじめ、助産師が複数名在籍。
⇒不妊カウンセラー・体外受精コーディネーターの資格取得支援制度あり。不妊カウンセラー6名在籍。
◎医療法人社団 曉慶会 はらメディカルクリニック(東京都渋谷区)
⇒不妊カウンセラー・体外受精(IVF)コーディネーターの資格取得支援あり。資格取得後には別途、資格手当支給。
◎永遠幸グループ 加藤レディスクリニック(東京都新宿区)
⇒永遠幸グループは加藤レディスクリニックをはじめ、東京都内で4箇所、神奈川県内で2箇所の不妊治療クリニックを運営。
◎医療法人社団 こうのとり会 ファティリティクリニック東京(東京都渋谷区)
⇒不妊症看護認定看護師、体外受精コーディネーターなど不妊症ケアの資格を持つ看護師が多数在籍。看護師長は、不妊症看護認定看護師を持つ男性看護師さん。
◎医療法人社団 杉四会 杉山産婦人科(東京都世田谷区)
⇒東京駅近くの丸の内に分院があり、都内でも有名な不妊治療クリニック。世田谷の本院には分娩施設もあり、年間分娩件数は約1000件。
自分が納得できるような方針の不妊治療クリニックを探すには多くの情報が必要ですが、個人ではそれほど多くの情報を得ることはできません。また、直接問い合わせをしたとしても、質問しにくいような内容に関しては答えてくれないケースもあります。しかし、助産師求人に強い転職サイトに登録しておくと、経験豊富なキャリアアドバイザーから全国にある不妊治療クリニックの詳しい内部情報を入手できるほか、医療機関との間に入って知りたいことも聞いてもらえるので、効率よく転職活動を進めることができます。
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